よーし!フライのロッドもリールも買った。あとは毛鉤があればフライができるな。
フライ入門の本ではとりあえず、このカディスとかいうフライを
作れって書いてあるからな。よくわからんがとりあえずこれを作れば良いんだろ。
ちょっと待った!カディスのことを軽く見るとあとで痛い目をみるよ!
基礎的な知識を覚えておくと、マッチザハッチの釣りがしやすくなるから
僕がカディスの基本的な知識をニッパチ君に教えてあげる!
昆虫のことはよくわからなかったんです。
おねげーします。教えてください!
今回の記事は、北海道での渓流釣りにおいて絶対外せないヒゲナガカワトビケラについてのお話です。
フライの世界では主にカディスという名称で呼ばれ、フライマンからこよなく愛される昆虫です。
このトビケラ類は完全変態の昆虫であり、幼虫、サナギ、成虫の3つの形態を持ちます。
世界で一番使われるドライフライのエルクヘアカディスは、
このトビケラの成虫のイミテーションフライというわけです。
正直、始めたてのフライマンはどのフライがどの虫をイミテートしているのか、
よくわかっていないことが多いのではないでしょうか。
マッチ・ザ・ハッチにおいて重要なのは多様な種類のフライを持っていくことではなく、
水生昆虫の知識です。
トビケラとはこういう昆虫なんだと認識することで、あなたのフライの世界は広がります。
それでは行ってみましょう。
幼虫(ラーバ)形態
『引用元:https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/2353/Thumb630/higenagakawatobigera.jpg』
これがヒゲナガカワトビケラの幼虫です。フライ用語ではラーバなんて呼ばれていますね。
川の石をひっくり返すと、ポロリと落ちてくることがあります。
見た目はブリっブリで非常に美味しそうです。
ドライに反応がなく、ハッチも見受けられないような状況では
川底の石をひっくり返して、こいつがいるかどうか確認しましょう。
ポロポロと見つかるようならこいつを模したフライを使用します。
#8 カディスラーバ
ダイソーのヘアゴムを使用した簡易的なラーバフライ。
ウェイトを巻いてあるので川底を流れていきます。
あまり重くしすぎると、5番ロッドでは正確にキャストできなくなるので、キャスト性能が落ちない最大の重さになるように調整しましょう。
サナギ(ピューパ)形態
『引用元:水生昆虫アルバム A FLY FISHER’S VIEW/島崎憲司郎/1997.05.15/P98』
こちらがサナギのヒゲナガカワトビケラ。いわゆるピューパというやつです。
幼虫が石の底で糸をはき、繭を作ってこの形態になります。
幼虫のように川底でじっとして食われないようになっているわけでも、
成虫のように飛び回っているわけでもないので、実は鱒にとって一番食べやすい瞬間。
だからこそ決して侮ってはいけない形態です。
ピューパを食べる時のライズは、水面が勢いよくモコっとなる時で、
まさに「食い急ぐ」という言葉が当てはまるような感じになります。
#10 カディスピューパ
飛び出している足や触覚の部分をパートリッジで表現。
ボディはずんぐりした青緑色が適しています。
ウェイトなしだとフローティングピューパになり、
難解なライズへの解決策になり得ます。
ソフトハックルでも代用可能です。
何を投げても食ってこないライズの時は、カディスピューパの捕食にこだわっている可能性があります
そんな困った時に使用するフライです。持っていないと打つ手なしです。
成虫(アダルト)形態
『引用元:水生昆虫アルバム A FLY FISHER’S VIEW/島崎憲司郎/1997.05.15/P100』
こちらがお馴染み、ヒゲナガカワトビケラの成虫(アダルト)です。
自分が釣りをしている川でのハッチにおいて、メイフライ(カゲロウ)系が多いのか、
カディス(トビケラ)系が多いのかを見極めるのはフライマンにとって必須の能力です。
見極め方としては、蛾のような飛び方で、羽の動きが忙しないのがカディス。
パタパタと可愛らしく飛び、長いしっぽがあるのがメイフライです。
実際に捕まえて観察すれば簡単にわかると思います。
#10 スティミレーター
存在感をアピールするには普通のエルクヘアじゃ足りません。
北海道では、カディス河川で6月中に威力を発揮します。
イブニングなら50UPも豪快に食ってきます。
浮力も抜群です。
条件が揃えば、はっきり言って最強です。
ラーバ、ピューパ、アダルト
この3形態を理解して、
それぞれのフライを状況によって使い分けることが重要なんだ!
なるほど!
アダルトだけのフライじゃ足りなかったんですね!
この3つを作って、週末は爆釣だ!
うまくいくといいね、ニッパチくん!
結果を楽しみに待っているよ。!